「げんしけん 4」木尾士目 著 アフタヌーンKC
一部受けからメジャー受けへとサクセスストーリー。今が旬の漫画です。
今回もオタネタ全開。まず、表紙裏からして1巻の表紙裏のパロディ、かつげんしけんアニメ化のセルフパロディですし。各話の間にあるクジアンネタも今回はそう来るかという内容で。しかも「アニメは後半だれだれのダメアニメ」、とかキビシめの評価を言わせる辺りも、ひねくれたオタ心理をよくわかってます。
個人的には「あうう、とか言うな!」という咲ちゃんのツッコミがツボにはいってました。ゼッタイ言うよね。腐女子は。
メインキャラクターの性格もそれぞれ決まってきて、(主人公以外)生き生きと動いてるのがいいですね。それにつけても自称主役の笹原のめだたなさっぷりは・・・作者に見捨てられてる?
ちなみに、初回限定のキャラクター栞は”斑目”デシタ。どうせイロモノダシ・・・
「ホモが嫌いな女子なんかいません!!!」 大野
#ホント?
以降は、恒例のネタバレトーク。
いやぁ、3巻の後半辺りから、咲ちゃんを上回る勢いでかわいいねぇ。斑目が。
作者の愛を一身に受けて細かい心情描写がコレでもかと・・・
眼鏡外して、ほほを赤らめるとこなんて、力の入り方が違いマスヨ?深読みしすぎ?
逆に目に付くのがコーサカの無敵完璧超人っぷり。オタとしてもパーフェクト。見た目も完璧。さらに、天然系とおもいきや、繊細な心遣い(斑目へのフォローだったり、咲ちゃんへの想いだったり)が描かれたりと、「連邦のモビルスーツは化け物か?!」ってな感じですよ。
#他のキャラが「心の弱いところ」(人間臭さとも言う)を見せるエピソードをもってるので、なおコーサカの完璧さだけが目立つのかも。
ともあれ、2組のカップルを前にハートブレイクな斑目の前に現れた三人目の女子部員「漫研から飛び降りた女」荻上。咲ちゃんが丸くなってしまった今、現視研に波乱のエピソードを起こせるのは彼女しかいない!
当然、4巻は斑目と荻上のノーガード殴り合いの末に友情が芽生えるラヴストーリーでしょう。っていうのは職場でウトウトしてたら天啓のように思いつき、まんざらでもない推理なんですが。だめですか?
久しぶりに物欲全開。欲しくてたまらないものがたくさんあるサイトを発見。
http://www.thinkgeek.com/
デジタルオタク向けのショッピングサイトらしい。日本でいうと、王様のアイディアみたいなものかも。
でも、コンピュータナードに特化したサイト。日本語でぐぐってみると、結構前から愛用してる方はいるらしく。
はじめに惹かれたのがコレ。
binaryLEDclockですよ。スクリーンセーバー版は、こんなのがあるんですが、リアルな物は個人輸入しかなさそう。
ちなみに、腕時計もあるらしく。
ほかにも、いい加減時計とか、マトリックス風腕時計なども面白そう。
こんなのは誰が買うんだ?
「我語りて世界あり」 神林長平 著 ハヤカワ文庫JA
仕事が猛烈に忙しかったので、本屋でSF文庫を買いあさり。
で、移動中にちまちま読んでいた1冊目をやっと読了しましたよ。
連作短編集です。
人々がネットに接続して、「自己と他者の境界があいまい」になるていどの未来の日本。
3人の子供がジャンクヤードから拾ってきた思考機械の記憶を覗くところから話は始まり・・・
久しぶりに読んだ神林作品ですが、切れ味のある言語感覚と、「言葉と存在」に対するこだわりは相変わらずですね。とても楽しく読めました。
たぶん、この作品を執筆当初、90年初頭に読んでいたらかなり混乱しだろうと思います。ただ、2004年の今の自分は毎日ネットワークを使用し、携帯で連絡をとり、娯楽としてのSFアクションでも「ネットワークを使った交流とその先にあるもの」を扱う作品があったりして。この作品を理解するための地盤ができているってことかと思います。
すごいAIが出てきたり、猫が居たり、現実と仮想の境界があいまいになったりと、神林小説の基本がそろっているので、ほかの作品が好きな方はぜひ一読を。
で、始めの紹介を書いてて気が付いたんだけれど、「個人の経験が共有され、自己と他者の区別がつかなくなった未来」って、「攻殻機動隊」by士郎正宗の世界の延長線上ですね。
読んでいる時の感覚はまったく違うけれど。
攻殻〜はSFとしてのみ存在可能なストーリー展開だけれど、我ありて〜は設定が未来ではなくファンタジーの魔法世界でも話が成り立つ。科学技術が魔法と見分けがつかない世界での物語。そんな受け止め方をしてみた。
もうひとつ、作中で繰り返し語られてる「言葉によって存在を認められること」というのもネットワークが身近になった現在では興味深い。ネットワーク越しの人間関係は「言葉」のみで自分を構成しなければならない。ってあたりに類似して自分の環境と比較してみたり。いい格好しすぎてないか、情報をググりながらしったかぶりしてないか。相手が存在を認めているのは「作られた虚像の自分」かもしれないね。
ブロードバンドで音声や動画でのコミュニケーションが一般化するまでの話かもしれないけどね。